違法建築
2023.07.24
東京都江戸川区 相続したアパートが違法建築物だった売却できるか
東京都江戸川区のアパートを相続したJ様(40代)から、「違法建築物だが売却できるか」とご相談いただきました。仲介業者を通して買主を募集しているが売れる気配がないこと、違法建築部分の撤去等の対応がJ様ご本人だと難しい状況でしたが、当社で買取成約となりました。保有していると行政から罰則を受けるリスクもある違法建築。詳しい物件の状況と成約に至る流れをご紹介します。
ご相談内容
相続したアパートの屋上に違法増築物が…
J様はお父様がお亡くなりになった際に東京都江戸川区にある3階建てのアパートを相続しました。築60年が経過しており入居者はまだいるものの平均年齢は60代、空室もポツポツ出ています。
収益性が微妙なのとJ様が大阪にお住まいであまり対応できないこと、大規模なリノベーションをして集客をするつもりがないことなどから売却を検討。不動産仲介会社に見積もりを依頼したところ、屋上にある一室が違法建築であることが判明しました。
仲介は結局お願いしたものの、違法建築のため購入にあたってローンも組めないことから、既に1年買い手がつかない状態でした。
違法建築を保有していると行政から指導が入ったり罰則を受けたりするリスクもあると聞いていたため、不安を抱えストレスも増大。そんな中、仲介を諦め当社にご相談いただきました。
ご提案および対応
ご連絡をいただき速やかに現場を確認
大阪からお電話でJ様にご相談をいただき、当社スタッフは許可をいただき物件に急行しました。確かにアパートの屋上には違法に増築した2DK程度の住居があり、違法建築であるという状況でした。電気や水道も引いてあり意図的に建築したというのは明らかです。
アパート自体も非常に古びており、このままだと新規入居者を呼び込むことも難しそうでした。周囲に学校や駅等もないエリアのため、賃貸アパートの顧客対象となるような若者を呼び込むには思い切ったリノベーションが必要と見受けられましたが、そのためには違法に当たる屋上の住居を撤去し原状回復をする必要があります。
住民の方に関する情報収集
上記の内容をJ様にお電話で伝え、アパートの入居者の状況をさらに詳しくヒアリングしました。まず、屋上の住居には現在も80代の入居者がすでに40年にわたりお住まいで、J様が以前に退去をお願いしたところ強い拒否に合い、その後は話ができていないということでした。アパート部分は全15室のうち5室が空室となっており、入居者は独居の中高年が多いことからオーナーであるJ様としてはキャッシュフローの更なる悪化や孤独死などのリスクを懸念しておられました。
見積もりの根拠を説明し迅速に買い取りを決定
違法建築物は違法な部分を除去し当初の届出どおりの建築物の状態に戻さなければ、大規模なリノベーションをすることはできません。
しかし本物件は違法建築部分に住民がいるため、リノベーションをしないと新規入居者を呼び込むのが難しい物件でありながら、違法建築部分をすぐに除去できずリノベーションができないという状況でした。
そのため、買い取り額の条件はかなり下げざるを得ませんでしたが、上記を説明し見積もりを提示したところ、J様はその額での買取りを承諾。ご相談から1週間程度で成約となりました。
お客様の声
仲介不動産会社に相談しても違法建築物件だから決まらないのは当たり前のような反応でしたし、他の買取会社に相談してもこの状況だと難しいと言われて途方に暮れていました。なんでも不動産買取は対応が迅速で、金額は安かったものの買い取れるということだったので、売却を即決しました。私が大阪に住んでいるため、離れた場所に抱えていた不安材料から解放されて良かったです。
担当者のコメント
いわゆる違法建築物件のオーナーチェンジ、しかも違法増築部分に住民ありという当社にとても難しい案件でしたが、相場に比べて大幅な値引きを呑んでくださったことで成約できました。買取り後は屋上の住民とは根気強く交渉し、アパート内の別部屋へ転居していただくことに成功。違法建築部分を撤去した後に空室のリノベーションを行い、徐々に新規の入居者も入ってきています。