#東京都東京都大田区の70代のM様から、自殺者が出た賃貸アパートを売却したいというご依頼をいただきました。すでに事件から半年空室が続いており、キャッシュフローが悪化。手放すことを検討しているものの、心理的瑕疵あり物件ということで希望の価格では売れないのではないかとご不安を抱えられていました。ご連絡いただいてから買取までの経緯やポイントをご紹介します。
ご相談内容
自殺者が出た部屋とその両隣の部屋が半年空室
M様が保有する東京都大田区のアパートの入居者が居室内で自殺するという事件が発生しました。死後数ヶ月気づかれないままでしたが異臭がきっかけで近所から通報。そのため周辺に自殺者が出たアパートということが知れ渡り、事故物件検索サイトにも掲載されてしまいました。事件後半年ほどが経過した現在、もちろん該当の部屋の特殊清掃やハウスクリーニングは完了し次の入居者を募集しています。
しかし、「告知事項あり」物件のため、内見希望者からの問い合わせ時に自殺者が出たことを伝えると断られてしまう状況です。また、両隣の部屋も事件後すぐに退去してしまい、現在全10室のアパートのうち、3部屋が半年間空室のまま。キャッシュフローも悪化しており、アパート経営自体をどうしようかと悩んでいらっしゃるということでした。
ご提案および対応
入居者募集状況をヒアリング
現在どのような内容で入居者募集をしているのか、反響はどうかなどをヒアリングしました。立地としては駅近物件で周辺にスーパーマーケット等もある利便性が高い土地ですが、各駅停車しか止まらない私鉄駅であること、築40年で老朽化も見られること、設備も古めである等、そもそも魅力を訴求しづらい状況でした。内見の問い合わせも昨年と比べて半分程度に減っており、似た間取りの近隣のアパートが最近内装と設備のリフォームを進めていることもわかりました。自殺者が出た部屋に関しては通常家賃から2割程度割引、その両隣の部屋は通常家賃で募集をしているということでした。
経営状況をヒアリング
自殺者が出る前までは入居率は95%ほどであったため正常なキャッシュフローでしたが、現在は半年間3部屋が空き続けている状況なのでこのままだと厳しいということでした。また、空室の3部屋は比較的若めの入居者が住んでいましたが、現在埋まっている残りの7部屋は長期入居となっているものの60代、70代と入居者の高齢化が進んでおり、アパートの将来に不安を抱えていらっしゃいました。
家賃値下げや物件リフォームを提案
家賃は2割程度値下げしていましたが、死因が自殺という心理的瑕疵が非常に大きい理由であること、物件の内容に競合物件より強みが少ないことなどを説明し、空室が続くくらいなら思い切って4割程度まで下げたり、1ヶ月フリーレントと組み合わせることでお得感を出すことを提案しました。
また、物件の内装や設備のリフォームを提案。水回りが非常に昭和の雰囲気だったので、浴室乾燥機や最新のトイレの導入、壁紙張り替えやカメラ付きインターホン、共用部への宅配ボックスの設置等、若い世代に支持される設備を紹介しました。
当社による買取を提案
上記のヒアリングと提案をしたところ、M様自身がすでに70代後半であり無理して賃貸経営を続けなくても良い気になっていること。これから大規模なリフォームを行う資金の余力はもうないこと。また、子供もいないため、万が一自分に何かあった際に今暮らしている入居者に迷惑がかからないようにしたいことなどをお話しいただきました。
そのため、当社によるアパートの買取を提案。自殺者が出たという心理的瑕疵がある物件とはいえ、駅近であり設備投資をすればまだまだ可能性があることを鑑みて、ご希望より少し安い価格にはなりましたが買取成約となりました。
0120-89-0306
お客様の声
自殺者が出てしまったことで各所への対応に疲れ果て、さらにキャッシュフローも悪化し賃貸経営している意味を感じられなくなっていたときに、たまたま見かけて問い合わせました。売却するつもりではありましたが、しっかり状況をヒアリングし買取以外の選択肢以外も示してくれたので、逆に売却が正しいと確信できました。他にも3棟物件を持っているので、手放す際はまた相談しようと思います。
担当者のコメント
自殺や殺人等の事件性のある事象によって、心理的瑕疵物件となり空室に悩まれているオーナー様は数多くいらっしゃいます。一旦心理的瑕疵物件となると3年間は告知義務が生じるため、M様としてはその期間を耐えることはできず、さらに一時的な家賃減額や新たな設備投資もご希望されてはいませんでした。そのため、当社で予定通り買取とさせていただきました。