共有持分
2023.07.24
東京都豊島区の一軒家で姉妹の共有持分をめぐるトラブル発生
豊島区にお住まいのK様から共有持分を売却したいというご連絡をいただきました。もう一人の持分権者である妹様から家賃が支払われない、税金もK様が負担しているということで、姉妹間のトラブルが発生している状態でしたが、最終的にはお二人にご納得いただいた上で、ご両人の共有持分を当社が一括で買い上げました。
ご相談当初はK様の共有持分だけ買い上げることをご希望でしたが、なぜ両方買い上げることになったのか経緯をご紹介します。
ご相談内容
住民である妹から家賃も税金も支払われず…
K様(32歳)は2人姉妹の長女で、これまで母親と2人で豊島区の実家(一戸建て)で暮らしてきました。3年前に離婚したK様の妹様が実家に戻り3人暮らしとなりましたが、昨年病気がちだった母親が死亡。相続の際に実家の建物は姉妹2名で共有持分として分け合うことにしたということです。母親の死亡をきっかけにK様は実家を出て都内で一人暮らしを始めました。共有持分はそのままにしており、妹とは「家賃を払うこと」「固定資産税はK様が代表者として支払い、後で所定の額を妹様から徴収する」という取り決めをしていました。
しかし、相続をして2年、妹様からK様に家賃と固定資産税に該当する費用は一度も支払われたことがなく、K様としては固定資産税を支払っているだけ損という状態でした。何度も話し合ったものの一向にらちがあかず、最近では妹はこちらからの連絡に出ず訪問にも居留守を使われ、ほとほと困り果てているということでした。いっそのこと共有持分を売却することを考えているということでご相談いただきました。
ご提案および対応
なぜ共有持分にしたのか経緯を確認
実家を共有持分にして相続し、相続人同士が後々トラブルになることは珍しくありません。どういった経緯で共有持分にすることになったのか経緯を確認しました。すると、実家に戻ってから定職についていなかった妹様が住むところとして実家を欲しがったこと、K様としては病気がちの母の介護をずっと一人でしてきたという自負があり何も相続せずに実家を妹様に渡すのは納得できなかったこと、また、真面目で堅実な性格のK様と奔放な妹様とは生来折り合いが悪かったことなどがわかりました。
共有持分を売却することで起こりうるトラブルを説明
共有持分を他の持分権者の承諾を得ずに売却すること自体は、法的に問題がありません。しかし、まず、当社としては基本的に一方の共有持分だけの売却はお受けしていないことを断った上で、一般的にどのようなトラブルが起こりうるか説明をしました。まずは妹様とのさらなる関係悪化、そして第三者の持分権者が登場することにより、妹様への家賃督促が厳しくなること、最終的にK様ご自身が金銭的負担や法的措置など被る可能性があることなどを伝えたところ、やはり黙って売るのは止めようかと思うとおっしゃられました。
K様と妹様から同時に当社が共有持分を買い上げることを提案
当社としては、K様と妹様から一緒に共有持分を買い上げることで、両方の手元に現金が残り、これまでの関係を清算することになるのではとご提案しました。妹様には売却額で新しい住まいを探していただけますし、K様としても共有持分がなくなることで妹様との接触が最低限で済むようになります。K様もそれが実現できるなら頑張って妹とコンタクトを取ってみるということでした。
ご実家の査定とK様、妹様、当社の3者で打ち合わせ
ご実家の査定と3者での打ち合わせを同日に実施し、K様と妹様に共有持分の売却見積もり額を概算でお伝えいたしました。築15年とまだそれほど老朽化もしておらず場所も良いため、妹様が新しい住まいを探すのに十分な額ということでご納得いただき、姉妹の共有持分を両方当社に売却するご契約をいただきました。
お客様の声
親族同士のトラブルがらみのご相談ということで恥ずかしい気持ちもあり、初回アポ当日までやっぱりキャンセルしようか悩んでいましたが、結果的には相談してよかったです。
以前に無料の法律相談を利用した時よりも具体的な提案をいただき、相談から1ヶ月程度で共有持分を売却することができました。妹も同時に売却したことで相続財産が完全に手離れし、結果として妹と今後連絡を取らなければいけない理由もなくなりました。今回の売却を機に今後の精神的負担も無くなったこともよかったです。
担当者のコメント
特段法的に論点が錯綜しているわけではなく物件の状態も良いため、売却すること自体は問題ないケースでした。しかし、親族同士のトラブルに端を発しており、根本的な原因を解消しないと火種が大きくなる可能性が見受けられたので、お二人の共有持分を同時に買い上げることにより一気に問題解決をすることを目指しました。