再建築不可
2024.01.09
再建築不可物件とは?どのような問題が生じる?対策は?
再建築不可物件を保有していることで将来的に様々な問題が発生します。今回はそもそも再建築不可物件とはどのようなものなのか、どのような問題が生じ、どのような運用をすれば良いのかを解説します。再建築不可物件をそのままにして老朽化させてしまうことがないようにしましょう。
再建築不可物件と接道義務違反とは
再建築不可物件とは、一定の基準を超える大規模なリフォームや取り壊して新しい建物への建て替えができない物件のことです。建築基準法の接道義務に反している物件が再建築不可物件となります。接道義務とは「道路に2m以上接しなければならない」というもの。ここでいう道路とは建築基準法により認められている道路のことで、細い私道は対象外であることが多いです。
また、幅員が4m未満の道路に面した土地も接道義務違反です。つまり、路地裏に密集した古い住宅地などでは道路に面しておらず再建築不可物件になることは珍しくありません。建築基準法は1950年に施行された法律であるため、それ以前に建てられた建物は再建築不可物件である可能性があります。法律が生まれた背景は、接道していなかったり接道幅が狭い住宅だと消防車や救急車などの緊急車両が入っていけなかったりというものでした。
接道義務違反で多い旗竿地とは
接道義務違反の再建築不可物件でよく見かけるのが旗竿地です。旗竿地とは旗と竿のような形をした土地。竿のような細い土地の先が道路に面しており、竿にあたる細い土地を進んでいくと旗のような広い土地に出るという形状をしています。この竿の先の部分及び通路の部分が2m未満だと接道義務違反となります。建築基準法が施行される1950年以降の物件は旗竿地であっても接道義務を満たしているはずですが、それ以前の旗竿地物件は要注意です。
再建築不可物件を保有することで生じる問題
再建築不可物件は数代にわたって古くから保有している方が多いですが、どのような問題が生じるのでしょうか。端的にいうと、「今の状態で住み続けるしかない」という選択肢の狭さがデメリットとなります。
建て替えができない
再建築不可物件は取り壊して新しい建物を建てることができません。これは最初に建物を建てた時代は違法ではなかった土地が、建築基準法により現在では新しい建物を建てられない土地になっていることが原因です。仮に非常に老朽化して人が住み続けられない廃屋のようになったとしても修復できませんし、倒壊してもそのまま更地にするしかないのです。
リフォームに制限がある
再建築不可物件はリフォームが全くできないというわけではありませんが、できる部分には制限があります。
ポイントとしては下記3点となります。
- 建築確認申請が必要になるレベルのリフォームは出来ない
- 再建築不可物件は、増築、改築ができない
- 建物の基本構造を変えてしまうと増築、改築になる
まず、建築確認申請に関してですが、再建築不可物件はそもそも建築基準法を現行法で満たしていないので、建築確認申請をそもそもすることができません。そして、建築確認申請をする必要があるレベルのリフォームというと増築、改築です。床面積を増やすために階を増やす、別の棟を建設する、また部屋の間取りを大幅に変えるために柱や梁などの構造物を動かすという内容が該当します。 再建築不可物件は1950年以前に建てられた可能性が高いため、計算上築73年以上経過していることになります。それくらい古い物件だと建築確認申請が必要な大掛かりなリフォームが必要になるのが普通ですが、再建築不可物件はそれができません。
ただ、再建築不可物件でも内外装のリフォームは可能ですし、建物の基本構造が変わらなければ良いので構造物をそのままにしたフルスケルトンリフォームも可能です。ただ、自分の物件においてどこまでのリフォームなら建築確認申請が必要ないのかは、事前によく確認する必要があります。
売却が難しい
上記のように建て替えができない、リフォームに制限があるとなると、売却は当然難しくなります。建物の危険性はもちろん、運用の幅が極端に狭いからです。
再建築不可物件はどのように運用するか
さて、そんな再建築不可物件を保有している場合、どのように運用すれば合理的な活用方法と言えるのでしょうか。大きく3つの方法が考えられます。
接道義務を満たす物件に変更
まず一つ目は物件の接道義務を満たすようにするという方法です。これは今ある土地の間取りをどうにかするということを意味しますが、当然勝手に決まった土地の区画を変えることはできません。そのため下記のような動きが必要となります。
隣地の買取り
例えば接道が2m未満の旗竿地は接道2mを満たすように変更すれば、接道義務をみたすため再建築不可物件ではなくなります。接道部分を挟んでいるのは他人の土地ですので、これらの隣地を買い取ることによって接道義務を満たすという方法です。
セットバック
セットバックは道幅4m未満の道路に面している再建築不可物件の場合に有効です。狭い道路だと消防車等の緊急車両が入っていけないため、現在の建築基準法では「道幅4m以上の道路に2m以上接していない土地に建物を建てることはできない」と定められています。
セットバックは、自分の物件の敷地を後退させ自分の物件の前の道路を4m以上確保することで、再建築不可物件でなくなるというものです。実施にあたっては行政への申請や調査が必要となるので、それなりにハードルが高い動きとなります。
更地にして自転車置き場や資材置き場に活用
再建築不可物件が立っていた土地を更地にして活用する方法もあります。ただし、活用方法は意外に少ないです。自転車置き場や工事の資材置き場などが考えられます。
「駐車場は?」と思う方も多いと思いますが、そもそも再建築不可物件が立っている土地の形状は車が入りづらい旗竿地や道幅4m未満の道路に面している土地です。建物がなくなっても土地の形状が変わるわけではありませんので、駐車場には不向きの土地です。車が入れないという時点で活用用途にかなり制限がかかることをご理解いただけるのではないでしょうか。安易に更地にするのは正直考えものです。
再建築不可物件の買い取りが得意な不動産業者に売却
再建築不可物件は保有が長くなればなるほど老朽化による問題が発生しますし、手放すことも難しいため不良債権化するリスクがあります。再建築不可物件を専門で扱っている不動産業者に売却するのが最も手軽といえます。相場より安い価格での買い取りになることは間違いありませんが、不良債権化する前に、もしくは不良債権に既になっている物件を手離れよく処分できるのであれば良い選択肢なのではないでしょうか。
隣地の買い取りができないのであれば再建築不可物件専門買取業者に売却を!
再建築不可物件でも現在は居住に問題が生じていないかもしれませんが、ゆくゆくは建て替えも大規模リノベーションもできないことでの問題が必ず発生します。その際に売却を検討しても売るのが非常に難しいですし、更地にしても活用方法がほとんどありません。そのためできるだけ早めに再建築不可物件でなくするか、売却することが大切です。隣地の買い取りを行えば再建築不可物件から脱却できますが、それが難しいのであれば再建築不可物件専門買取業者への売却を検討しましょう。お悩みの方は是非なんでも買取不動産にご相談ください!