底地
2024.01.22
底地のメリットデメリット、注意点を法律や税金面から解説します!
借地権がついた土地のことを底地といい、底地の所有者はいわゆる地主と呼ばれます。もとから地主だった方や、親が地主だったが相続することになり始めて底地を所有することになった方もいらっしゃるでしょう。底地は固定資産税や所得税がかかることをご存知ですか?今回は底地に関する法律や税金について詳しくご紹介します。
底地とはどんなもの?借地権とどう違う?
底地と借地権は併せて説明に使われることが多いため意味が混同しやすいとされますが、国土交通省が示す不動産鑑定評価基準によると以下のように定義されます。
底地は宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権。借地権とは、借地借家法(廃止前の借地法を含む。)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)。
すなわち、底地は建物または土地自体の貸し借りの契約が付いている場所の所有権のことです。また借地権は土地を借りる権利そのもののことを指しています。
底地を所有するメリット
借地料や更新料を得られる
底地の所有者(地主)は、借地人に対して、底地の使用料(借地料)や契約更新時の更新料を受け取ることができます。底地の種類によって、借地料の相場は異なります。一般的に、建物付きの底地の方が建物なしの底地よりも借地料が高くなります。これは、建物付き底地では、所有者が建物の維持管理や修繕費用などを負担するためです。
また、同じ種類の底地でも、立地条件や土地面積、契約期間などによっても相場は変わります。例えば、都心部や駅近くなどの交通アクセスが良い場所や、敷地面積が広い場所では、相場が高くなります。
将来的に底地の価値が跳ね上がる可能性もある
底地の将来性にも目を向ける必要があります。例えば、底地の周辺に開発計画やインフラ整備が進んでいる場合は、将来的に価値が上昇する可能性があります。
固定資産税や相続税を軽減できる場合がある
更地だと固定資産税の軽減措置がありませんが、底地であることによって固定資産税の課税標準が固定資産税課税台帳に登録されているよりも少なくなります。また、一般的に広い土地を持つと相続税評価もかなりの額になりますがその土地が底地だと、評価が大きく下がり相続税が軽減されます。
底地を所有するデメリット
底地の価値が著しく下がる可能性もある
底地の価格は周辺の環境や立地条件によって大きく変動します。道路や河川から離れている場合や、土壌汚染や地盤沈下の恐れがある場合は、価格が低くなります。もし、すでに所有している底地だとしても、土壌汚染などが発覚したり地盤が緩み始めたりした場合は、価値が大きく下がってしまう恐れがあります。
底地には固定資産税や都市計画税がかかる
土地の所有者である地主は、建物の価値に応じて固定資産税を納める必要があります。また「市街化区域」内の土地の場合は、都市計画税を納める必要があります。
底地の所得税を支払う必要がある
地主は借地人から受け取った地代などを所得として申告し、所得税を納める必要があります。
借地人との摩擦が生じる恐れがある
底地の価値が上がってきたと感じた地主の方はまず、借地料を上げることを考えるでしょう。その場合、借地人に値段を上げることを交渉し承諾してもらう必要があります。契約内容から突然変更すると言われた借地人は驚き、提案に反対することは想像に容易いでしょう。
底地の所有での注意点
法令を遵守する
底地の所有権は都市計画法や建築基準法などの法令によって定められている場合があります。都市計画法や建築基準法は都市の整備や安全性を目的としており、底地の利用や建築物の規制を定めています。例えば、都市計画法では、都市計画区域内の底地に対して、用途地域や容積率などの規制が設けられています。用途地域とは、住宅や商業などの土地利用の種類を区分したもので、各用途地域に応じて建築物の種類や高さなどが制限されます。容積率とは、底地面積に対する建築物の延べ面積の割合で、建築物の大きさを規制するものです。
また、建築基準法では、建築物の構造や設備などに関する基準が定められています。例えば、耐火性能や防火区域などの規制があります。耐火性能とは、建築物が火災に対してどれだけ耐えられるかを示すもので、耐火構造や準耐火構造などに分類されます。防火区域とは、火災が発生した場合に他の建築物に延焼しにくいようにするために設定された区域で、防火区域内では耐火性能や隣接距離などが厳しく規制されます。
法令の改正に気をつける
底地を所有する場合は、上記のような法令による規制を把握しておく必要があります。特に、都市計画法や建築基準法は頻繁に改正されることがありますので、最新の情報を確認することが重要です。
底地と隣接する土地の状況を把握する
隣接する土地の所有者や関係性にも気をつける必要があります。例えば、土地の登記簿に記載されている所有者と実際の所有者が異なる場合や、隣地との境界線が不明確な場合は注意が必要です。これらの問題は、トラブルや訴訟の原因になることがあります。
底地を売買する際は規制内容や契約をチェックする
底地を売買する場合は、契約書や登記簿謄本などで規制内容を確認しましょう。容積率超過や用途不適合などの違反状態にある場合は、減額請求や解約請求などが発生する可能性があります。
また、底地を賃貸する場合は、賃貸借契約書で規制内容を明示しましょう。建築物の改築や増築などについて、事前に承諾を得ることや、違反した場合の責任分担などを定めることが望ましいです。
困ったら専門家に相談しましょう
今回は底地に関わる法律や税金面でのメリットデメリット、注意点などをご紹介しました。
実際に底地や借地権を取得する際には、さまざまな法律や税金などの問題も考慮しなければなりません。「法律や税金はよくわからなくて不安…」という方は専門家に相談することをおすすめします。底地を持っているけれど持て余しているので売却したい、とりあえず底地について相談したいという方はなんでも不動産買取までお問い合わせください。